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JAPAN FUR ASSOCIATION 一般社団法人 日本毛皮協会 公式サイト

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JFAファーデザインコンテスト2021
最終審査会・表彰式レポート

「JFAファーデザインコンテスト2021」の受賞作品

リアルファーと共に歩む、ファッションの未来

毎年定期的に開催されているファーの祭典「JFAファーデザインコンテスト」は、新型コロナウイルス感染症の対策を行った上で有観客、リアル開催にて実施致しました。ファッションショー形式での最終審査会・授賞式は、全世界に向けてライブ配信を行い、より多くの方に、その様子をご覧いただくことができました。
当コンテストは、最高品質のリアルファーを素材として開催される、国内唯一の毛皮デザインコンテストであり、長い歴史を誇っております。これまでと同様に、主催者の日本毛皮協会(JFA)に加盟する各メーカーと連携し、学生や若い才能を持ったデザイナーたちへの支援を行なっていく一方で、循環型経済への貢献や伝統あるナチュラルファーの歴史を次世代へと繋いでいく取り組みも積極的に行なっています。また、日本毛皮協会では、来年度を目安に、福祉や環境、サスティナビリティなどの各審査項目を高い水準でクリアした安全で高品質の製品を世に送り出すことを目的とした世界的スタンダードであるFURMARK®ファーマーク・プログラム活動も現在展開中です。
1971年から始まり、今年で第2期20回目を数える当コンテスト。「活かそう、自然からの贈り物」のテーマの下、毛皮が持つ素材感や特性を活かしながら、社会的な問題に対してもきちんと向き合い、ファッションを通してより豊かで快適な社会の実現を目指して取り組んでまいりました。また作品制作においても、学生たちのデザインとそのコンセプトを尊重し、その具現化に向けて、協力会社の経験と技術を惜しみなく提供しサポートすることを通じ、メーカー各社のスタッフとのコミュニケーションや技術の伝承も生まれ、毛皮の素晴らしさを世の中に伝える共通目的の下、毛皮素材に親しんでもらいながら、専業メーカーと学生との貴重な出会いの場、更には将来の有力デザイナーを育成する環境としての側面も担っています。

有観客+ライブ配信形式で行った最終審査会の行方

総数3,000名を超える参加者による熾烈な予選を勝ち抜いたファイナリストたちによる、入魂の作品が出揃った最終審査会。
ファッションショー形式にて、プレゼンテーションを行いました。
例年にも増してクオリティの高い作品群を前に、シーンの第一線で活躍する人気デザイナー、著名なジャーナリストによる審査員陣もジャッジには頭を悩ませていた模様。
そんな大激戦となった本年度、最終的に栄えあるグランプリに輝いたのは、名古屋モード学園の苗田さん。結果発表の際には、各審査委員より絶賛の評価が送られました。
今回、各審査員からの言葉にあったように、特に受賞した全5作品からは、毛皮が本来持つ魅力を最大限に活かした美しいデザインや、次の時代を担う若者層へのアプローチが数多く見られたのも印象的でした。

審査員の各コメント

【廣川玉枝 デザイナー】

受賞された皆さんおめでとうございます。先ずはこのようなコロナ禍の状況のなかで学生の皆さんにこのような素晴らしいコンテストのチャンスが与えられたことを嬉しく思います。冒頭でもお話がありましたように、毛皮は人類が最初に身に着けた衣服で、狩猟民族時代からの技術が発展して今に続いています。
皆さんの毛皮の作品の中で期待していたのは、毛皮本来の機能的な部分をどう表現するかという点でした。今回は、暖かさや時代を超えて長く愛用できる、着てみたいなと人に思わせる魅力的な服が受賞作品になったと思います。このコンテストの素晴らしいところは、毛皮メーカーさんと学生さんが一緒に服を作るところだと思います。3000点の作品の中から選ばれた16作品はとても見応えがありました。
受賞された作品の中では、毛皮をこういうふうに使って美しく表現をするんだなという驚きと発見があって、とても感動しました。これからこの経験を生かし、今後のデザインにつながればいいと思いました。ありがとうございます。

【村上要 WWDJAPAN編集長】

皆さんおめでとうございます。
このコンテストで毎回面白いなと感じているのは、協力会社の皆さんと学生さんとが、意見をぶつけ合いながらクリエイションしていくところにあると思います。
今は多様性の時代で、対話が大事になっていると痛感しています。私はメディアで働いていますが、今まで一方的に発信していても成り立っていたビジネスが、コンテンツを通じて問いかけていく姿勢に変わってきているし、そこで得た意見や学びを次に生かさなければ生き残れないと考えています。
デザイナーの皆さんも同じで、さまざまな対話をして自分の考えを、時には軌道修正したりすることがこれから必要になってくるとは思いますが、今回のコンテストでの経験というのは、人と対話をして物を作るという素晴らしい経験になっただろうと思っています。
時にはお客さん、時には一緒に作る人、時には取引相手になるとは思いますが、様々な人と対話をして、これからもクリエイションを楽しんで頂ければと思っています。

【中島英恵(ファッションディレクター/コンサルタント)】

この度は受賞おめでとうございます
一次審査の時から3000点以上のスケッチを見て完成作品をイメージしていましたが、スケッチからイメージした以上に、素材の美しさや表情豊かな部分をすごく感じました。リアリティの中にそのデザインのコンセプトが広がってパワフルに感じた作品を審査させていただきました。
ファーというなかなか取り扱う機会のない素材だと思いますが、サポートしていただいたメーカーさんと共同制作をしたことで、素晴らしい作品を見ることができ嬉しく思います。
これからもこの経験を生かしてものづくりやクリエイション、発信していく部分などそれぞれの方々の進化が感じられると思うので、今後いろいろなところで皆さんのクリエイションを見ることを楽しみにしています。
ありがとうございました。

【北村信彦 ヒステリックグラマー デザイナー】

今回ノミネートされたこの16名の若いデザイナーの方と制作協力してくれた毛皮会社の方達、お疲れ様でした。
今回第一次審査でデザイン画を選ぶ段階ではあまり大差がなく、誰がグランプリを取るか見えない状況でした。実際に製品化された作品を見て、本来デザイナーが持たなければならない素材の選択能力やカラーリング、パターン力、最終的な縫製、これらの工程全てのディレクション力が一番優っていたのがグランプリの苗田さんだったと思います。
今回ノミネートされて受賞されなかった方達の作品の中にも惜しい作品がいっぱいありました。あそこ失敗したなとか、パターン力が追いつかなかったなと、一番判っていて一番悔しく感じているのは、デザイナーの皆さんだとおもいます。今回のコンテストをいい経験として、これからどんどん高い夢を持って頑張ってもらいたいです。

【中 章(株式会社AKIRA NAKA代表取締役)】

受賞された皆様おめでとうございます
今日3000点の中から選ばれて、ここで発表されたけれど段に上がっていないデザイナーの皆様もおめでとうございます。素晴らしい機会だったと思います。
このショーを見て、私自身感動しましたし、いろんな表現があるのだなと感じさせていただきました。その中で賞を取った方々は、表現に加えて、そこにリアリティがレイヤーされていた作品じゃないかと思います。リアリティがあるということは、それが誰かの手に届くということであり、それは自然からの贈りものを大事に使うというところにつながると思います。それを達成したデザイナーが今前に立っているのかなと感じました。
私自身デザイナーとして10年以上活動してきましたが、今日賞を受賞した作品にもそのほかの作品にも、魅力的なものとか楽しい気持ちにさせてもらったものとか、いろんな感情を喚起させていただきました。それは皆さんの若いクリエイティビティがなし得るものであって、経験を詰んだデザイナーだからと言ってそれを生み出せるというわけではありません。その若いクリエイションが毛皮協会の職人さん達と出会ってこの作品に繋がったということは、とても素晴らしいことだと思っています。この機会を生かしてファーの素晴らしさを日本や世界に伝えて頂ければなと思っています
協力していただいた企業の皆様もお疲れまでした。
この素晴らしい時間を共有できたことに本当に感謝しています。ありがとうございました。

表彰式の様子

◇最終審査会・表彰式

2021年12月1日(水)時事通信ホール

◇主催

一般社団法人日本毛皮協会

◇後援

経済産業省

◇協力

国際毛皮連盟(IFF)、サガ・ファー、香港毛皮業組合(HKFF)、東京毛皮商工業協同組合(※順不同)

◇各賞受賞者

●グランプリ:苗 田(名古屋モード学園)賞状、賞金50万円

●優秀賞:趙 安然(東京モード学園)賞状、賞金20万円

●サガ・ファー賞:YAP MEI YU(東京モード学園)賞状、賞金10万円

●HKFF賞:吉田 佳祐(大阪モード学園)賞状、賞金5万円

(恒例の海外研修旅行は、コロナ禍により、今年も中止となりました)

◇審査委員

中章(株式会社AKIRA NAKA代表取締役)、北村信彦(ヒステリックグラマー デザイナー)、中島英恵(ファッションディレクター/コンサルタント)、村上要(WWDJAPAN編集長)、廣川玉枝(デザイナー) (※順不同敬称略)