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JAPAN FUR ASSOCIATION 一般社団法人 日本毛皮協会 公式サイト

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JFAファーデザインコンテスト2010最終審査会・表彰式レポート

◇最終審査会・表彰式

2010年3月19日(金)13:00~15:00 東京・東銀座 時事通信ホール

◇主催

社団法人 日本毛皮協会(JFA)

◇後援

農林水産省 経済産業省

◇協力

アメリカン・レジェンド サガファー 香港毛皮業協会 国際毛皮連盟 東京ファッションデザイナー協会

◇各賞受賞者

●グランプリ:伊藤裕也(名古屋ファッション専門学校)
賞状、賞金50万円、副賞(デンマーク「サガ・デザインセンター(SDC)」への研修旅行)

●優秀賞:林 亜沙美(東京モード学園)、高橋篤子(文化服装学院)
賞状、賞金10万円、副賞(デンマーク「サガ・デザインセンター(SDC)」への研修旅行)

●サガ賞:宮崎真奈(名古屋学芸大学)
賞状、賞金10万円

●アメリカン・レジェンド賞:横田よし子((株)山岡毛皮店)
賞状、賞金10万円

●HKFF賞:福田匡佑(杉野学園ドレスメーカー学院)
賞状、賞金5万円、副賞(2011年香港インターナショナルファー&ファッションフェアにご招待)

●JFA賞:柴崎博和(杉野学園ドレスメーカー学院)
賞状、賞品

◇審査委員

小西良幸(委員長・デザイナー) 岩谷俊和(デザイナー) 廣川玉枝(デザイナー) 原由美子(ファッションディレクター) 大塚陽子(ファッションジャーナリスト) ※順不同・敬称略

テーマは「まとう地球の恵み」
こ数年は一貫して「地球」「エコ」がコンセプト

若いクリエーターの発掘・育成、そして毛皮業界各社の技術向上を目的に、一般公募によるコンテスト形式で年1回実施している 「JFAファーデザインコンテスト」は、今回で8回目を迎えた。業界内はもとよりデザイナー志望の学生などの間でもこのコンテストの 認知度が高まってきたことから、年ごとに出品作のクオリティは向上し、一昨年のグランプリ・優秀賞受賞の3作品は、昨年IFTF(国際毛皮連盟) 主催の国際コンペティションにエントリーするという華やかな実績も残した。
今回のテーマは「まとう地球の恵み」。ここ数年はエコ素材として毛皮を再認識する意味も込め、一貫して地球温暖化防止、 環境保護といったコンセプトを掲げている。
このコンテストは2段階の審査からなる。書類選考による第一次審査でまず30作品を選考、選ばれたデザイン画を元に応募デザイナーと JFA加盟各社が協力し、実際に作品を制作。そうして出来上がった30作品が一般公開のファッションショー形式で最終審査にかけられる。

最終審査会に向け
デザイン画を形にしていく

応募は2009年秋にスタートして、12月4日の作品提出締め切りまでに全国から3003点のデザイン画が寄せられた。 12月11日に行われた第一次審査で、それらのデザイン画の中から30作品を選出。 選ばれた30人のクリエーターたちは、その後の約3カ月間で作品を仕上げていく。
このコンテストの大きな特徴のひとつはその制作過程にある。というのも、作品の制作にあたって、 駆け出しのデザイナーたちは協力各社のスタッフと密にコミュニケーションを取らなければならず、そのコミュニケーション力は 今後クリエーターとして成長するために欠かせない。ぶつかり合い、悩み、ともに解決するという過程を通して、 クリエーターたちは毛皮という素材の特性と魅力をより深く学ぶことができる。また、この過程で協力各社のスタッフたちは、 若いクリエーターたちの新しいアイデアを形にしようと考え抜き、切磋琢磨し、技術の向上につながるというわけだ。

毛皮の固定観念を払拭した
自由な発想と大胆な色遣い

2010年3月19日、最終審査会場の東銀座・時事通信ホールには入賞者、招待客、JFA加盟各社の関係者、プレス関係者、そして入賞者の応援に駆けつけた家族や友人など大勢の人たちが集まった。コンテスト審査会というステージではあるが、 同時にファッションショーとしても楽しめるということもあり、立ち見が出るほどの盛況ぶりだ。
午後1時、開会の案内が流れると会場は急に静まり緊張感が走る。審査会はパーソナリティの斉藤安弘さんの司会によって進められた。はじめに塚本喜左衛門・ファーデザインコンテスト委員長が、続いて主催者代表として中村友昭・ JFA 理事長が挨拶。多数の応募があったことに 謝意を述べるとともに、コンテストの主旨、今回のコンセプトの意図をあらためて来場者に伝えた。
小西良幸・審査委員長をはじめとする5人の審査委員が紹介されたあと、照明が落とされ、ショーがスタートする。 ビートのきいたリズムに乗って次々とスポットライトの下に登場するモデルたち。入賞者の作品を優雅にまとい、観客の目を引きつける。 最近の傾向では色遣いの鮮やかなものや、素材の使い方が斬新なものなど冒険した作品が多かったのだが、今回は全体として、 洗練され落ち着いた印象だ。目の前で華やかなショーが繰り広げられる中、舞台正面では審査員たちが鋭い視線とともに厳しく採点していた。
予定通り約40分でショーは終了。審査委員たちは別室に移り、本格的な最終選考に入る。各審査委員の採点を集計、高得点を獲得した作品の 中から話し合いによって各賞を決定するのだが、今回も平均して完成度が高く、上位3作品は比較的スムーズに決まったものの、他の入賞作品を 決めるのは容易ではなかったようだ。