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JAPAN FUR ASSOCIATION 一般社団法人 日本毛皮協会 公式サイト

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毛皮の加⼯

1.染色(DYED)

毛皮は、染料を使って、様々な色を表現できる素材です。単色に染め上げるだけでなく、毛先部分を根元と異なった色に染める(チップ・ダイ)方法もあります。皮面への染色もあります。

2.プリント(PRINTED)

毛皮のプリント加工は、かつては安価な毛皮素材をより良くみせるために行われていた処理方法だが、近年ではデザインとして施されるようになり、可能性は無限に広がっている。尚、今では毛面だけではなく、皮面へのプリントも数多くなされている。

3.ブリーチ(BLEACHED)

毛皮の自然の色を白っぽく脱色すること。本来の素材感を楽しみながら、異なる表情を楽しむことができる。

4.刈毛(SHEARED)

毛皮の面積を機械で一定の長さに刈り整えること。古くからベビーラムのシェアード(2mm)やムートン(7mmから45mm)でなされていた技術だが、ミンクやフォックスなども刈り毛処理されるようになった。この加工により、毛皮に独特の光沢と感触が生じ染色の効果もあがり、まったく新しい素材に生まれ変わる。

5.抜毛(PLUCKED)

毛皮の刺し毛のみを抜くこと。ミンクやヌートリア、ビーバーなどで綿毛の密度の良いものは、プラッキングすることで、ビロードのような光沢とライトでソフトな素材に生まれ変わり、もともとの素材とまったく違った風合いを楽しめる。

6.型押し(EMBOSSED)

皮面に、凹凸のある模様や図柄を浮き出させる加工方法のこと。

7.パンチング(PUNCHING)

毛皮やレザーに円形や三角形、四角形などの連続穴をあけること。もともとはレザーの技術からダブルフェース(両面使い)に使われるようになった加工で、毛面の模様の面白さからヌートリアやベビーラムなどへと広がってきている。尚、穴の形により軽量化の程度は違うが、およそ20~40%は軽くなる。

8.ツイスト(TWISTED)

細く切った毛皮の先端を止めて、片方をドリルにつないで機械で巻き上げ、裏が見えない1本の紐状の毛皮にする加工方法。少ない分量で、ボリュームを出すことができる。生地に縫い付けると、下の生地が隠れて一枚皮の毛皮で作ったように見える。また、そのままマフラー等の毛皮製品に仕上げることも出来る。

9. ニッティング(KNITTED)もしくはヤーン(YARN)

細く切った毛皮をニットと一緒に編み込む加工方法。網状のものに細くきった毛皮を差し込んでニット状にする方法もある。この加工を使った場合、ストレッチタイプの軽いセーター感覚の毛皮ができる。

10. 皮面加工(DOUBLE FACE)

毛皮は通常は毛の部分が表面(フェース)として使用されるが、皮面(毛皮の裏側)をきれいに加工して、表面に使用できるようにすることをダブルフェースという。ムートン、ベビーラム、チキャンラム、ミンクなどといった、皮が丈夫である程度厚みのある毛皮がこの加工に適している。裏生地を使用しないため非常に薄く軽い製品に仕上がり、かつより高度な加工技術を駆使できるので、多様なデザイン展開が可能になる。ダブルフェースのうちで、皮面(毛皮の裏側)を染めてサンドペーパーで毛羽立たせ、スウェードとして使用できるようにする加工をスウェード加工という。スウエード状のダブルフェースの皮面を、樹脂加工してレザー(皮革)の銀面のように仕上げたもののことをナパラン、又はナッパ加工という。尚、ナパランの場合はスウェードに比べて、汚れにくく、手入れが簡単などの利点がある。このダブルフェース加工を施した製品で、表側が皮面の場合やリバーシブル仕様の場合は、家庭用品品質表示法に則った表示が必要となることがあるので、注意が必要です。

11. グルービング(GROOVING)

毛皮の毛面にいろいろな形のみぞ模様を作ることをいい、毛を刈ったり溶かしたりする方法がある。毛を刈る方法としては、特殊なシェアリングマシンを使用する。段刈りとも言われ、毛皮を刃に近づけたり、遠ざけたりすることによって毛に段差を付ける。また特殊なバリカンを使用する方法は、カービングと言われる。これはシェアリングよりも細かな柄を作ることが可能で、非常に高度なテクニックが必要とされる。一方、最新技術として毛を溶かす方法もある。これはスクリーンプリント方式で、毛を溶かす薬品糊を毛にプリントして毛を溶かし、洗い流すと模様ができる。これらの三つの方法は、作る柄によって使い分けられている。